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Kemi - ブラジル音楽の旅


by sertao
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「それでもボクはやってない」 その1


やる事は山積みだけど、今日は全部ほおって映画館にいってきた。
早く見たかった、周防監督の久しぶりの作品、「それでもボクはやってない」
私の20代のころのことを回想しながら、作品を鑑賞した。
痴漢えん罪を題材にした映画だ。日本の刑事裁判の現実をまざまざとみせつけらた。
内容は、まずはご覧になってきてください。

なぜこの映画に興味をもったかというと、まずこの映画にでてくる弁護士のモデルとなった、Y氏から話を聴いていたからである。近しいわけではないけれど、私がプライベートで行く
原宿のお店の常連客である。
店では、私たちの唄を聴いたり、楽しいお酒をのんびりと飲んでおられる。
こんなに穏やかな方が、刑事事件の弁護士・・・
でも、経歴を伺うと納得もした。

そして、もうひとつこの映画に興味をもった理由。
それは、私がまだある企業の社員だったころ、通勤途中の電車の中で
痴漢行為をした高校生を、その場て捕まえたことがあった。
被害者は私自身である。もぞもぞとうごいている腕を私はつかんで持ち上げた。
車内はそうとうの混雑。それまでにも私は嫌な思いをずっとしてきた。
しかしその日はとうとう爆発した。
そしてその日捕まえたのはある高校の生徒だった。
駅についてから、ホームにおりるまで、私は彼の腕をずっと離す事はなかった。
今から思えば、私の大声と一瞬の出来事に、
彼はとてもおとなしかった。大勢のひとがいるなかで私の行動に
はじめから抵抗することはなかった。観念したのだろう。。
ホームで、生徒手帳を取り上げ、中をみるとまだ高校2年生だ。
私のことを婦人警官と間違えたらしい。
本当におとなしく私の次の言葉をまっていた。
「どうする?駅の公安室にいくか・・・」といいかけると。
「すみません。」という彼の顔は真っ青だった。。
その日、私は朝から重要なお客様のアポイントが入っていたから、
すこし迷ったが、生徒手帳を預かる事にして、彼を離した。
生徒手帳には写真が貼ってあったから、逃れる事はできないとおもった。
それも私の甘い考えだったのはわかっていたけれど・・。

その日の昼、私は生徒の学校にまず電話をした。
事情を説明して、彼の生徒手帳を預かっていることを伝え。
学校の彼の担任は、後刻私のところに来るという。
警察に届けようかどうしようか、その後私は迷った。
警察に届けて、私が起訴したら彼のその後はどうなるんだろう。。
って・・・
私はなぜそう冷静に考えたのだろう。。
わからない。

だけど、その時におもったことは、まず自分で現場の事実つかみ、
多くの人にその現場であった事実の目撃者になってもらったこと。
そして、痴漢行為をした本人が、
その場でその罪の重さを感じた事、多くの人の目があった・・という罰を受けたこと。

女性はそれほど、弱くない。そして、痴漢という行為を我慢したり、うけたことを
他人にしられることを恥じてはいけない。
そんなことをあの時、あの電車の1両の中で、あの両に乗り合わせた人が知ったこと。
私はそれで、良かったのだとおもった。
結局、本人と校長、両親が会社に来て、私は謝罪の言葉を聞き。
本人には、今後、気が変わったら訴えることもある。と伝え、結局このことは
私が起訴をしないことにした。

今日の映画でも感じた事は、事件が起きた時間が過ぎていってしまうことで、
事実の形がどんどんと変わっていってしまう。人の記憶なんて薄れていく。
それよりも相手に対する感情の方が膨らんで、事実から離れていってしまうおそれがある。
被害者も加害者も。。

今は、加害者が逆切れすることもあるから怖い。それだけ弱きは泣き寝入りも多くなるのだろうな。嫌な世の中だ。。
痴漢行為だけではなく、職場において、又その他のところでのハラスメントは絶対に許せることではない。
勇気をもって戦うことは大切だか。できればそういう事故のないように願いたいものです。
つづく





「それでもボクはやってない」 その1_c0106446_12201743.jpg

by sertao | 2007-02-02 23:52